対抗馬とみられていた、ブラジル社会民主党のジョゼ・セラ前サンパウロ州知事(68)は43.95%で敗北した。ルセフ氏は首都ブラジリアにて「今夜は私だけでなくブラジルの民主主義にとって特別に大切。私はブラジル初の女性大統領になる。少女たちに女性であっても、何でもできることを示した」と強く話した。
ルセフ氏はルーラ政権で、03年から鉱山・エネルギー相、05年から官房長官を務めた。同氏は、堅くて冷たい経済官僚というイメージが強く、演説下手だったが、ルーラ大統領が傍らで応援演説を繰り返し、当選にこぎつけた。
貧しい北東部を中心に約5570万票以上を集めたルセフ氏の勝利は、国民がルーラ政権の政策継続を望んだ結果ともいえる。ルーラ政権は貧富の格差が大きかったブラジルで所得の再分配を断行し、貧困層への現金支給や奨学金を充実させるなどし、約2800万人を貧困生活から救いだした。