帝国データバンクが11月1日まとめた出版業界の2009年度決算調査によると、売上高上位の出版社10社のうち、8社が減収だった事が分かった。出版、取次、書店の3業種とも、2期連続減収の企業が2期連続増収の企業を上回っている状態で、出版業界全体の冷え込みが顕著だという。
売上高が1000億円を超える集英社、講談社、小学館のトップ3はそろって減収し、3社の減収は2期連続だった。講談社、小学館と光文社は2期連続で最終赤字に陥っており、文藝春秋も最終赤字に転落した。一方で、女性向け雑誌などが好調な宝島社だけは上位10社の中で、唯一2期連続で増収・最終黒字だった。
調査した620社のうち、2期連続で減収だったのは249社と40.2%を占めていた。一方で、2期連続で増収だった出版社も106社(17.1%)あった。減収傾向の一方で、赤字が続いている出版社は少なく、2期連続黒字を計上したのは400社と64.5%を占めた。不採算部門の撤退やリストラ、不動産売却などで赤字を回避する出版社が多いという。
書店は上位10社のうち、ジュンク堂書店など5社が2期連続の増収に。紀伊国屋書店、丸善、有隣堂のトップ3社は減収だったのに対し、準大手クラスが健闘がみられる。書店業界では2期連続増収だった企業の割合が多かったが、その一方で2期連続減収の企業の割合も多く、二極化が進んでいる。