結婚式の費用総額の全国平均は325.7万円で、高い水準で推移している。一方で、挙式や披露宴に予算を掛けたくないというカップル人も増加。
リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」が、10月22日に発表した調査結果によると、挙式、披露宴・披露パーティーにかける費用の総額は、全国平均で325.7万円で、昨年調査より5万円減少したものの、一昨年を8.3万円上回り、高い水準で推移していることが明らかになった。
また、披露宴・披露パーティーの招待客数の平均は72.7人で、昨年調査より1.1人減少した。しかし、招待客1人当たりの費用は5.3万円で、昨年調査より0.2万円増加している。5年前との比較では0.8万円の増加で、年を追うごとに内容が充実していることが分かる。
挙式や披露宴・披露パーティーを開く理由を尋ねたところ、親・親族・友人に「感謝の気持ちを伝えたい」「喜んでほしい」という動機が多かった。こうした「参加者におもてなしをする気持ち」が、不況下であるにもかかわらず、招待客一人当たりの費用を押し上げる要因になっているのかもしれない。
一方で、挙式や披露宴に予算を掛けたくない、掛けられないというカップルも増えている。角川マーケティング「結婚白書 2009-2010」によると、未婚者の間では、挙式・披露宴の予算を100万円未満で済ませたいとの声が圧倒的で、前年と比べても増加傾向にあるという。
結婚式を低予算で済ませたいというカップルは、身内だけの食事会や2人だけのディナー、婚礼衣裳での写真撮影を行うなど、それぞれの価値観に応じて、2人の時間を過ごす人が多いとみられる。
そんな中、婚礼衣裳での写真撮影を中心とした「フォトウェディング」や「フォトブライダル」と呼ばれるサービスが人気となっている。新郎新婦の衣裳レンタル、ヘアセット、メイク、着付け、写真撮影、チャペルでの結婚式などを含んだプランで、10万円~20万円程度が多く、これに身内での食事会などが付くと、30万円~50万円程度になるようだ。結婚式や披露宴に予算を掛けたくないという人たちも、低予算で結婚式を挙げることができる。
若者の結婚観が大きく変わる中、低予算の結婚式が新たなスタイルとして定着する日は近いかもしれない。