ホンダは2012年春入社予定の新卒採用に、二輪車事業専門の採用枠を新設する。専門的な人材の採用と育成で、創業から世界的自動車メーカーへの成長をけん引してきた二輪車事業の一段の拡充を図るのが狙い。
従来は新卒者を技術系や事務系などに分けて一括採用し、適性や希望に応じて二輪車や四輪車など各部門に配属してきた。12年度からは、一部の新卒者を当初から二輪車の車体開発や営業を担う部門に配属する目的で採用する。
ホンダは創業以来、世界の各市場で二輪車メーカーとして知名度を高めた後、そのブランド力を四輪車事業などに生かしてきた。近年の二輪車事業は「生活の足」としての需要が増す中国や東南アジアなど新興国で急成長する一方、ニーズが多様化する先進国では伸び悩み、市場ごとに異なる事情に応じた製品開発や事業戦略の練り直しが急務となっている。