米国の非政府組織(NGO)、北朝鮮人権委員会(HRNK)が12日、北朝鮮は朝鮮戦争当時から現在までに12カ国・地域から18万人余りを拉致したと主張する報告書を発表した。朝鮮戦争時に連行された約8万2000人の韓国人と、日本から帰還事業で北朝鮮に渡った人も含まれている。
拉致被害者の出身地は韓国、日本、中国(マカオ含む)、フランス、イタリア、レバノン、オランダ、ルーマニア、マレーシア、シンガポール、ヨルダン、タイなど。同団体は、拉致問題の解決には、北朝鮮との交渉はもちろん、被害国の国際的連帯が必要だと強調。北朝鮮に被害者の生死確認を求め、家族との再会や帰国、被害者が死亡している場合は遺骨の引き渡しを求めることを勧告した。また、米国に対し、北朝鮮をテロ支援国に再指定するよう求めた。
レーガン政権で国家安全保障担当補佐官を務めた、同団体のリチャード・アレン共同議長は、北朝鮮の外国人拉致は、故金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記父子による組織的な試みだったと指摘し、「現代における最も大きな犯罪の一つだ」と非難した。
また、専務理事のチャック・ダウンズ氏は、金主席に続き金総書記が1976年に外国人の拉致を指示し、1982年まで多くの拉致が行われたと主張した。
報告書の発表には、黄浚局(ファン・ジュングク)駐米韓国大使館公使、藤崎一郎駐米日本大使をはじめ、タイ、オランダ、ルーマニアの拉致被害5カ国の駐米大使館関係者、米国務省のキング北朝鮮人権問題担当特使が出席した。また、被害者の家族として、「6・25戦争拉北人士家族協議会」のイ・ミイル理事長、日本の「北朝鮮による拉致被害者家族会」の増元照明事務局長らも出席した。