世界経済の先行き不安が強まっているが、今年好調だった現代自・起亜自動車の業績は来年はさらに上向くとの分析が出ている。
現代自と起亜自は先週、7~9月期の連結決算をそれぞれ発表した。現代自の同期の売上高は前年同期比14.5%増の18兆9540億ウォン(1兆3017億円)、営業利益は18.9%増の1兆9948億ウォン、当期純利益は20.7%増の1兆9183億ウォン。起亜自は売上高が前年同期比14.9%増の9兆9900億ウォン、営業利益が21.9%増の8276億ウォン、当期純利益は8.0%減の6479億ウォンだった。
業績発表の場で、現代自と起亜自は今年の売り上げ台数目標にしている400万台と250万台(計650万台)を問題なくクリアできると明らかにした。
ただ、来年の販売見通しについては具体的な言及を避けた。景気停滞に加え、日本や米国メーカーが攻撃的なマーケティングで巻き返しを図ってくることが予想されるからだ。
これに対し、韓国国内の自動車専門家やアナリストらの多くは来年の販売が今年よりも増えると予想。一部では、2桁%の成長も可能との意見も出ている。
韓国投資証券のアナリストは来年の現代自と起亜自の販売台数をそれぞれ438万台、279万台と予想。グループ全体の販売台数については「720万台の突破も可能」とした。これは今年の販売よりも10%以上多い数字だ。
同アナリストは成長の理由について、ブランドイメージ向上や車種ラインアップの充実に加え、海外工場の割合が高くなったことで為替レートの影響も受けずに済むことなどを挙げた。
大信証券のアナリストも「現代自440万台、起亜自260万台の計700万台以上の販売が可能だ」と話す。
現代・起亜自は、下半期(7~12月)から稼動した中国の第3工場(年産30万台)とブラジル工場(年産15万台)でなど新工場で20万台を増産。国内でも10万台を以上を増産できるため700万台の生産は可能になる。
大林大学自動車工学科の金必洙(キム・ピルス)教授は「不況で来年の世界の自動車生産は減少する可能性があるが、現代・起亜自グループの世界シェアは今年を上回る」と話す。
金教授は自由貿易協定(FTA)効果やウォン安など、ライバルメーカーより有利な点が多く、価格競争力が向上するとみている。