もともと日本の株式会社ロッテは、在日韓国人である重光武雄氏(現会長、韓国名: 辛格浩)が1948年に創業。その後は石鹸、ポマードなどの製造販売業を経て、終戦後に進駐軍が持ち込んだチューインガムに着目し、ガムの製造販売を開始。1954年10月には「スペアミントガム」、1957年4月には「グリーンガム」を発売。次々とヒットし、現在まで続く人気商品となった。その後、チョコレートやアイスクリームなども手掛け、日本国内の大手菓子メーカーとなった。
一方、韓国では1965年の日韓国交正常化を経て、重光氏は日本のロッテの収益を資金に、1966年に母国である韓国に韓国ロッテグループを発足。ロッテ百貨店やロッテホテルなどのサービス業を中心に、テーマパークのロッテワールドも展開し、現在は約3兆円規模のロッテ財閥を形成するまでに至っている。
韓国への進出当時、韓国内では「在日韓国人が祖国の発展を支援しているのではなく、ただの日本企業の進出でしかない。日韓の経済的な格差を利用し、事業を拡大している」といった批判もあったという。
現在は株式会社ロッテホールディングスを設立し、日本のロッテグループと韓国のロッテグループを統括している。日本のロッテは長男の重光宏之ロッテグループ副会長が、韓国のロッテは次男の重光昭夫同副会長兼千葉ロッテ球団オーナー代行が後を継ぐとみられており、創業者一族が日韓を股にかけ、実質的に支配している。