日本人が海外で保有していた預金や不動産などの相続を巡り、27遺族が全国の国税局の税務調査を受け、2009年6月までの2年間に約74億円の遺産隠しを指摘されていたことが判明したと5日の読売新聞が報じた。
同期間の申告漏れ総額は約140億円(計165遺族)で、重加算税や過少申告加算税を含む相続税の追徴課税の対象となった。遺産は、米・ハワイやオーストラリアなど観光で人気の国・地域に集中していた。
読売新聞によれば、国税庁への情報公開請求で入手した文書で判明し、同庁は例年、海外遺産の申告漏れの概要を公表しているが、遺産隠しの総額など詳しい実態は明らかにしていなかった。
公開文書によると、海外遺産の相続を巡り、国税当局から仮装隠蔽行為があったと認定され、重加算税の対象となった課税価格(遺産隠し額)は、08年6月までの1年間で約17億円(14遺族)、09年6月までの1年間で約56億円(13遺族)とした。遺産の種類は預貯金、不動産、株式が中心で、車や金貨などもあった。