柳田稔法相は22日朝、首相官邸で菅首相と会談し、自身の「国会軽視」と取れる発言の責任を取って辞表を提出、受理された。
首相が柳田氏を首相官邸に呼び、国会審議を優先する考えを伝えたもので、事実上の更迭といえる。
自民党は22日中に法相の問責決議案を参院に提出する構えを見せていた。9月に発足した菅改造内閣での閣僚辞任は初めて。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件などへの対応で内閣支持率が落ち込む中、菅政権にとっては大きな打撃となる。野党は首相の任命責任の追及に加え、仙谷官房長官や馬淵国土交通相らの問責決議案を提出する構えを崩しておらず、首相は一段と厳しい政権運営を強いられる。
政府は22日午前の持ち回り閣議で柳田氏の辞任を決めた。後任の法相は、仙谷官房長官が当面兼務する。
仙谷氏は記者会見で、首相が柳田氏に「2010年度補正予算案の議決をお願いしないと国民生活に大きな影響が及ぶ。一日も早く補正が執行できる環境をつくることを真剣に考えないといけない」と述べたことを明らかにした。