菅直人首相は22日午後の参院予算委員会で、国会を軽視するような発言をした柳田稔前法相が辞任したことについて「法相を務める能力があると思い、任命したが、今回は自らの判断として辞表を出されたのでそれを受け止めた」と述べ、自身の任命責任を認めなかった。野党は反発しており、首相の責任を厳しく追及する構えだ。
首相は同委員会で「(2010年度補正)予算審議などにいろいろと影響が出る傾向になった。最終的には本人が自ら辞任を申し出た」と、柳田氏辞任の経緯を説明。当初、柳田氏の続投を支持したことに関し「本人が真摯(しんし)に謝罪して発言を撤回し、今後しっかりやっていくと言ったので、そういう形で推移すればいいと思っていた」と語った。自民党の宮沢洋一、丸川珠代両氏に答えた。
柳田氏は辞表提出後の記者会見で、首相から「補正予算案を一日も早く通さなければならないことを理解してほしい」と暗に辞任を促され、自身の発言が国会審議の「障害になりつつあった」ことを考慮し、その場で辞表を書いたことを明かしている。首相答弁は「更迭」との見方を否定したものだが、柳田氏の説明と微妙なずれが表面化した。