山田洋次監督が、新作として小津安二郎監督の不朽の名作「東京物語」をモチーフとした「東京家族」を手がけることになった。山田監督にとって、2011年は「二階の他人」(61)で監督デビューしてから50年という節目の年。これまでに発表した82作品を一貫して配給してきた松竹は13日、「山田洋次監督50周年プロジェクト」の概要を東京・築地の同社で発表した。
山田監督によると、新作のタイトルは「東京家族」。高齢の夫婦が東京の息子らを訪ねるが歓迎されず、失意のうちに郷里へ帰るというオリジナルと同様の筋立て。独居老人の問題など現代的な要素も盛り込むという。
また「東京物語」の舞台化も発表された。山田監督が脚本と演出を手掛け、12年1月の上演予定。
映画「東京物語」は笠智衆さん、原節子さんらの出演で1953年に公開された。広島・尾道で暮らす老夫婦が、成長した子どもたちに会うために出かけた一世一代の東京旅行を通して、家族のきずなと喪失、夫婦と子ども、老いと死について問いかける傑作。ローポジションを多用し、カメラを固定して人物を撮る“小津調”で家族というもののありようを丹念に描いている。
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