[kjtimes=ジョン・ビョンチョル代表] 最近、大企業の海外営業部門に勤務するA氏はため息の日々を過ごしているという。昨年3月、日本の企業とMOUを結んだが、今まで本契約の締結ができずにいるからである。
本契約は去っておき、会社で意欲的に推進していた日本事業自体が歯止めかからないだろうかと気をもんでいる。
この企業が日本の企業と、特定の製品を置いて業務交流を始めてから1年6ヶ月目だ。長い言えば長く、短いといえば短い期間だが、日本にすでに進出したり進出予定の企業に "1年6ヶ月の間、日本としたのはMOU契約書一枚だけだ"と言えば、おそらく笑うだろう。彼らはMOUを締結しただけでも、一歩進んだものと評価することができる。
一般的に、日本との取引をするためには歳月を堪えなければならないし、ここには忍耐力と緻密さを武器に武装しなければならない。国内企業が日本にいくら優秀な先端製品を披露しても、日本のバイヤーは、一気にドアを開け好感を持って積極的に動かない。
国内企業は、日本人と会話の時に勘違いすることが多い。日本のバイヤーは、特定の製品について説明を聞いた後、一様に吐き出す言葉がある。それは "分かりました"(了解しました)である。
これは、製品の説明に対して分かったという意味でそれ以上、それ以下でもない。それでも国内企業は、まるで日本が製品に大きな好感を見せて、すぐに契約を締結するのだと大げさだ。"分かりました"は、契約締結のための前哨段階ではない。
また、国内企業が日本のバイヤーからよく聞く言葉の一つが "そうですか?"である。製品の説明について "驚いた"という半国語表現で、やはり製品自体に関心があるという意味ではない。
日本人は長い間付き合っても本音を見せてくれない。日本語には本音や本心を意味する本音(本音、ほんね)という言葉がある。
表面上する言葉、つまり表の心を意味する建前に(建前、たてまえ)という言葉も別にある。心に胸の内と外心が別にあるということだ。
これは日本のバイヤー同士の取引でも同じである。日本企業は "素晴らしい(非常に立派だ)"ほんとうですか "(本当ですか)を連発しながらも、いざ契約書にはサインをしない。
日本のバイヤーは、関心は表明するが、すぐには本音のドアを開かない。本音のドアを開くためにはどのように多くの戦略で武装すべきか。蜘蛛の巣のより入念なチェックとかみそりのような厳重な基準が初めて装備されて後に開始される。
国内企業が日本企業と本契約を締結したのは、日本市場の閉鎖性と本音と表芯把握し、10余年の長い歳月の間堪え信頼を築いてきた結果でもある。だから、国内企業が日本に新たに進出して製品を売るためには韓国人特有の慇懃と根気が必要である。
もう日本企業とMOU一枚で日本進出成功というシャンパンをさく烈させることはできない。ちょっと誇張すれば了解覚書(MOU)が建前であれば、本契約が本音である。本契約締結後、いくらでもシャンパンを飲むことはできる。
興味深いのは、このような日本でも本音を開くと、その次から、企業間の取引は、万事しあわせだ。信頼が割れない前提の下でだ。企業の大当たりを期待してみる。