日銀は、市場に大量の資金を供給する包括緩和の一環として、先月に打ち出した35兆円規模の基金を活用し、週明けから国債の買い入れを始めるほか、値下がりのおそれがある金融商品を買い取る異例の措置を決定。
日銀は、5日までの2日間、当初の予定を10日以上早めて金融政策決定会合を開き、景気や為替市場の動向などを分析したうえで、当面の政策運営について協議した。そして、市場に大量の資金を供給する包括的な金融緩和策の柱として、先月に打ち出した35兆円規模の基金を活用して、週明けから国債の買い入れを始めることを決定。さらに、基金のうち5000億円を活用し、上場型の投資信託や不動産投資信託などを買い取る措置も正式に決めた。
日銀が、こうした値下がりするおそれのある金融商品を買い取るのは異例のことだ。また、政策金利を0%から0.1%程度の範囲に誘導する事実上のゼロ金利政策を維持することも決め、金融面から景気の下支えを図ることにした。今回の会合の直前に、アメリカが、一段の円高ドル安につながる可能性のある大規模な金融緩和策を打ち出した。円相場は、今のところ落ち着いた値動きとなっているが、日銀は、円高がさらに加速し、景気悪化のおそれが強まった場合に、基金の規模を拡充するなど、さらに踏み込んだ金融緩和を検討する方針だ。
聯合ニュース