村上春樹さんの「1Q84」(新潮社刊)や東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」(文芸春秋刊)など、人気小説の中国語版が無断で電子書籍化され、米アップル社のサイト「アップストア」で販売されていることが10日、判明した。
台湾で使われている繁体字版の「1Q84」を出版している時報文化出版(台北市)は、同社が出版したものと同じ内容が、同社に無断で簡体字版で電子化されていることを確認し、村上さんの台湾での代理人と法的手続きについて検討するとしている。
東野さんの作品は、文芸春秋によると、30作品以上が中国語で海賊版として販売されている。東野さんは自作の電子化を認めておらず、アップルに削除を求め、対応を待っているという。「容疑者Xの献身」は日本語版も電子化され、115円で販売されていることが今月3日に判明。文芸春秋が削除を要請し、翌4日に消去された。
アップストアで販売されるソフトは米アップルで審査していると見られるが、基準は非公表。アップルジャパンは「著作権者が不利益を被らないように対応したい」と話した。